年末が近づくと決まって思い出すことがあります。
それは、お餅つきです。
安藤米店では、現在は仕入れたお餅を販売していますが、
10年位前までは、自社で製造していました。
私が子どもの頃は、お餅つきの時だけ来てもらう、
おじさんやおばさんがいて、それはもう「お祭り」のようでした。
お米を蒸かすボイラーが薪だった頃は、
効率も悪く、全部の注文をこなすには、
3日から4日間、朝から晩まで作業をしていたようです。
灯油式のバーナーを使用するようになってからは、
効率もよくなりましたが、それでも手作業での仕事のため、
年末の数日間は、両親共この仕事に追われていたようです。
私も小学生の頃から手伝いを始め、
中学校の頃からは、
数名の同級生が手伝いに来るようになりました。
(中学生がバイトなんて、今は有り得ませんが・・・)
高校に入ると、仲の良い友人数名が、年ごとに入れ替わりで、
来るようになり、大学生になっても彼らが来たり、
弟の友人が来たりと、多くの人が手伝いにきてくれました。
コンビニをやっている頃は、アルバイトのシフトを組み、
餅つき専属でやってもろう、なんてこともありました。
テンドルマンが開店しても、年末の数日間は餅つきのために
臨時休業をしたりして時間を作り、
アルバイトとして、私たち(私と弟)の子どもたちが
餅つきを手伝うようになったのです。
そうそう、忘れてはいけない人がいます。
この数日のために会社を休んで、手伝いに来てくれた知人がいました。
彼は、コンビニの時のアルバイトで、
就職しても、お餅つきの1〜2日は必ず休暇を取って来てくれたのです。
いまさらながら、彼には本当に感謝しています。
年末の数日間のみ行うお餅つきですが、
そこには、安藤米店(安藤商店)の歴史があり、
そこに多くの人が関わり、お世話になり、
この「行事」を行ってきました。
ただ、父親が歳をとり、子どもたちが就職し、
手伝いに来てくれた人たちにも、それぞれ生活の変化があったりして、
人手不足が問題になってきました。
また、仮の作業場を精米工場に設置していたため、
食品衛生の問題も出てきて、
その歴史を閉じてしまったのです
時は移り変わるものですからね・・・。
さて、現在安藤米店で取り扱うお餅ちですが、
問屋さんから紹介して頂いた業者さんが、
手作りの美味しいお餅を提供してくれ、
以前からのお客様も喜んで買って頂いているので、
とてもありがたいと思っています。
今年も27日頃、お餅が到着し、
27日、28日でお客様の元にお届けする予定です。
(そのためテンドルマンは28日から年末休みになります。)
お餅の配達が終わると、安藤米店も年の瀬を迎え、
新しい年へと移っていくのです。
その移り変わりの時に、
「お餅つき」というキーワードは、
私にとってとても意味があり、
多くの携わった方々への感謝を思い出す、大切な言葉なのです。