「自然療法」とか「代替医療」、「統合医療」などと呼ばれる、
体を癒す方法があります。
これらについては、これまでもいろいろ書いてきましたが、
私がNutrition の勉強をしている頃、ホリスティックということで、
様々なこれらの療法を学びました。
一応、科学系の大学なので、その療法について科学的、医学的に
証明できる事を学んでいたのですが、中にはちょっと怪しい、
そして、その理論が「こじつけ」のような療法もありました。
人間の、というよりも多くの生物は、自身の体でトラブルが起きた時、
自分自身でそれを治そうという仕組みが働きます。
例えば、傷が自然に治る、風邪が治る、なんていうのは、その典型的な
例だと思うのです。但し、これは先天的な免疫の病気や、
厄介な感染症に罹っていない事を前提にしているのですが、
普通の人ならば、何も薬を使わなくても治っていくのです。
そして、自然療法などは、この治癒までに掛かる時間を短縮したり、
大きな感染症に罹るリスクを下げる事が出来るのです。
ただ、病気や怪我の中で、自分自身で治す事が難しいものもあります。
自然療法や代替医療では、免疫機能が働いて治す事が出来る病気か、
怪我の場合には、皮膚の表面など、小さな傷や関節部分の小さな損傷
に限られてしまいます。
ですから、もしそれら以外の病気や怪我などの場合には、
投薬や外科的な療法が必要になってしまいます。
生活習慣病の中でいち早い、外科的な処置が必要な病気に、
心筋梗塞があります。心臓を取り巻く血管が詰まってしまい、心臓に上手く
栄養が行かなくなり、心臓機能に大きなダメージを与える病気です。
この症状で発作が起きた時は、すぐにでも外科的な処置をしなければ、
命に係わる事になります。急に発作が起きた時に、胸が痛い時に、
「私は代替医療で治す!」などと言って、ホーソンベリーを飲んだり、
痛みの緩和、リラックス効果がある、ラベンダーの香りを嗅いでも、
マッサージをしても、ホメオパシーやフラワーエッセンスのレスキューを
使っても、無理なのです。
リラックスして多少の痛みの緩和が出来たとしても、詰まった血管を、
これらの代替医療が元通りにする事は、出来ないのです。
ですが、心筋梗塞を予防することは、自然療法などの知識があれば可能です。
食生活については、ホリスティックな栄養学が役に立ちます。
ハーブやアロマも、血管や分泌ホルモンなどに働きかけ、心臓の血管を健康に
保つことは可能です。
その他、瞑想法、呼吸法、運動療法など、いろいろな療法が考えられます。
テレビCMや健康雑誌などの広告を見ると、多くの病気が、これらの自然療法
などで治るような事が書かれているものもあります。
そして、現代医療に抵抗感がある人や、なかなか改善の目途が付かない人が、
これらの雑誌を目にして、高価なサプリメントの購入や、
ちょっと怪しい整体師などの治療を受けたりする人もいるのです。
病気を持っている人は「ワラにでもすがりたい」気持ちは良く分かります。
でも、それらの療法に飛びつく前に、一歩引いて冷静に考えるか、
それらについて知識のある専門家に相談するという事も必要だと思うのです。